アーチェリー豆知識
2021年1月 加筆修正更新
「AMAZONEの息子」「キャデット・ボーイ」「あばうとアーチェリー」の内容は、アーチェリーを知らない人でもなるべくわかるように、本文を書いています。
が、ある程度は知っていた方が雰囲気(ふんいき)が分かるかなぁと思うので、簡単に説明しておきます。
くわしく知りたい人は、リンク集 の所にある「アーチェリー技術的なサイト」で調べてみてください。
アーチェリー用語集 (クリックで開閉)
あくまでも簡単な説明です。
- アーチャー
- アーチェリーをする人
- 押し手:おして
- 弓を手にする方の腕。ストリング(弦:げん)を引く方は、引き手。
- 近射:きんしゃ
- 射の練習のために、1~2mの近い距離で的を射る事。
- グリップ
- 弓本体に押し手の手のひらが接触する部分の部品。または、そのやり方。
- コンパウンド
- コンパウンド・ボウの略。弓に滑車(カム)が付いていてテコの原理で通常より弱い力で、ひきしぼった弓をホールド(保持)する事が可能。 命中精度が高い。略称はCP 。
- 射:しゃ
- 弓を引き、矢を射る事。
- ストリング
- 弓に張る弦の事。
- 的中穴チェック:てきちゅうこう ちぇっく
- 矢取りの際、点数を記入後、的から矢を抜く前に矢が的紙に触れている部分にペンでチェックを入れる。 こうする事により、跳ね返り矢(当たったが、矢に勢いがなく的に刺さらないで落ちる事)があった場合、チェックの後がない穴があれば、その矢だと判断できる。
- ノック
- 矢の尻側にある、ストリングにセットするためのミゾの部分。矢から取り外しできる。
- ノッキング
- ノックをストリングにセットする事。
- 引き戻し:ひきもどし
- 途中まで引いた弓を、矢を放たずに戻す事。射がおかしいと思う時、引き戻しをする。試合中も、制限時間内なら何度引き戻しても良い。疲れるけど・・。
- フィンガースリング、ボウスリング
- リリース(矢を放つ)時に弓本体が手から落ちないように、押し手の指同士に付けて弓とつなげる、又は押し手の手首と弓とをつなげるヒモ状の物。いずれかを使用する。
- 〜mダブル
- 俗称。アウトドアではひとつの距離は36射でひとかたまり。それを2回、72射の試合形式。2016年現在、公認試合では50mラウンド、70mラウンドがこれにあたる。非公認でこれより短い距離の試合の時に、〜mダブルと表す事がある。 インドアは30射を2回、インドア18mラウンド。
- リカーブ
- リカーブ・ボウの略。しんちゃんの弓は、これです。多分アーチェリーといってすぐに思い浮かぶ弓でしょう。現在のオリンピック競技もリカーブ。略称はRC。
- 弓の組み立て
- 現在、リカーブの弓は組み立て式のテイクダウンが主流。いくつかのパーツに分かれており、組み立てて使用する。
- ハンパな本数
- 試合の本数が36とか72とか144とか、キリのわるい数字なのは、なんで?と思うかも。アーチェリーはヨーロッパから始まったスポーツ。 数の単位がダース(12)なんですね。 だから3ダースで36、6ダースで72、12ダース=144。12ダース=1グロスですから。
- 的(まと)の大きさは、色々
- 距離が変わると的の大きさも変わります。 また同じ距離でも種別(しゅべつ)によって的の大きさが違うこともあります。 種別については「キャデットって?」をごらんください。
- 試合は雨でもやる
- 試合は、どしゃぶりの雨の中でも行われます。ただ風が強すぎた場合は、的が倒れて危険なので中止になることもあります。
またカミナリでも中止。長い棒(スタビライザー)がニョキニョキ生えてる弓に、カミナリが落ちちゃうと大変だから。 - 身体障害者も参加できる
- アーチェリーは、体に障害のある人でも、楽しめます。パラ・アーチェリー大会もありますが、健常者の大会でも参加できます。障害があっても無くても、同じ試合に参加できるのです。
規定の弓具検査をパスした弓で、点数さえ出せば身体障害のある選手でも、世界選手権やオリンピックに出場できます。あばうとアーチェリーHits.23 偉大なるパラ・オリンピアン参照
アーチェリーにおいて車イスの選手は、めずらしくありませんし、片うでが不自由で口で弓を引く強者(つわもの)も、います。
オリンピックの後に行われるパラリンピックにも、アーチェリー競技はあります。 が、あれほど世間がさわぐオリンピックに比べて、パラリンピックはロクに報道されません。
もっとマスメディア、とくに影響の大きいテレビはパラリンピックを放送してほしい。 オリンピック全種目放送!なんて宣伝するくらいなら、パラリンピックも全種目!と言ってほしい。特にNHK! 公共放送でしょうが!
ターゲットアーチェリー
平らな場所で、的までの距離が決まっています。しんちゃんが普段やっているのは、これ。オリンピックのアーチェリーも、この種目。まるい的の真ん中が10点で、9点、8点、と外にいくにしたがい1点ずつ減る。 一番外が1点。同心円内に当たらないと0点(Mと書く。ミス・ショットの略)、的をはずした時も同じ。
競技時間は3射で2分間(又は6射4分)。逆に言えば2射で時間切れすると、残った1本の矢は0点。個人戦のほかに団体戦もあるが、これについては省略。
アウトドアと、インドアの競技(きょうぎ=しあい)がある。
■■ アウトドア競技 ■■
屋外(おくがい)の試合。試合形式は以下の通り。●1440ラウンド:1440R (旧:FITAラウンド)
各距離を36射、合計144射の点数。満点は1440点。距離は、種別により以下の通り。70mがメイン競技になったため、現在では、あまり開催されなくなった。
キャデット女子・ マスターズ女子 | 60・50・ 40・ 30m |
キャデット男子・
少年女子・ 成年女子・ マスターズ男子 |
70・60・ 50・ 30m |
少年男子・ 成年男子 | 90・70・ 50・ 30m |
●50・30mラウンド (俗にハーフ、ショートハーフ)
1440ラウンドの後半の距離、50m・30mを各36射、合計72射、満点は720点。かつては国体をはじめ、多くの国内大会で採用されていた形式。現在ではほぼ70mに移行。
大学生(全日本学生アーチェリー連盟)のリーグ戦においては今でも採用されている。各大学で70mの射場を確保するのが難しいためかと思う。
●900ラウンド:900R
60・50・40mを122cm的を使用して各30射、計90射、満点は900点。他の試合に比べ、的が大きいため初級者でも参加しやすい。
●リカーブ70mラウンド: RC70mR
70mを72射、満点は720点。ただしキャデット、マスターズは60mラウンドになる。
●コンパウンド50mラウンド: CP50mR
50mを72射、満点は720点。
●オリンピックラウンド (リカーブのみ)
予選の後、70mをトーナメントで競う。本数は、決勝ラウンドの3回戦までは18射、準々決勝から決勝が12射。 オリンピックでなくとも、この試合形式はある。キャデットおよびマスターズは60m。
●公認試合じゃないけれど
初級者のうちは長い距離や多い本数はむりなので、練習試合では10mとか20mとか30mなどの距離を72射することもある。 36射をひとつのかたまりとして、それを2回という意味で、俗にダブルと言う。30mダブル(30mW)とか。
■■ インドア競技 ■■
冬になると体育館などの屋内(おくない)で試合。 25mラウンドと18mラウンドがあるが、室内で25mの距離をとれる所は少ないせいか、18mでの試合がほとんど。 30射を2回で60射、満点は600点。フィールドアーチェリー
山の中などにコースがあり、決められた距離の的が、毎回変わるように配置されている。山の中のゴルフをイメージすると近いかも。平地ではないので、的が高い所にある「射ち上げ」や、低い所にある「射ち下ろし」、谷越えなどある。 中にはアンマークドといって、距離が表示していない所もある。自分の感覚で距離を想像して、狙う。
的は真ん中が6点で、1点きざみで一番外側が1点。
他にもスキーアーチェリー、 3Dアーチェリー などがあります
豆知識と言いながらも、長くなってしまう・・・