Hits.51 1964東京のパラリンピック2
2019.2.9


 さて2回目となりました。歴史の旅にようこそ(^_^;) 今回も長いです。
 当時の新聞も見てみたくて、図書館で縮刷版を探したのですが、なんと宇都宮市では中央図書館でしか置いてなくて、しかも現在施設工事中。12月から今月の下旬まで閉まってる! うーん、残念。まあどのくらい古い縮刷版が置いてあるかどうかは不明なんですが。
 あ、新聞縮刷版(しゅくさつばん)の意味はわかりますか? 元の新聞のサイズを小さくして印刷、月ごとなどで1冊の冊子にしているやつです。図書館に閲覧用で置いてあります。近年は電子化されてDVDになっているよう。
図書館の本
 近所の図書館で職員に尋ねてみたら、お若い方は「縮刷版」の意味がわかりませんでした。これこれこういうやつ、って言ったら、横にいた年上の職員が「それなら中央図書館に」と。
 新聞縮刷版で過去の記事を調べるなんて、した事ない人が多いんでしょうね。今時なら、ネットが中心だから特に。
 何冊か関連本を借りましたが、児童書が意外とありました。まあ内容はざっくりですけど。

 さて話が脱線しましたが、半世紀以上前の1964年東京パラリンピックの実施競技は以下の通りです。
・アーチェリー
・ダーチェリー
・バスケットボール
・陸上競技
(車椅子スラローム・60m車椅子競争・40m×4車椅子リレー・槍正確投げPrecision javelin・槍投げ・砲丸投げ・円盤投げ・棍棒投げ・五種競技)
・重量挙げ
・スヌーカー(ビリヤードの一種)
・卓球
・水泳
・フェンシング
 なんとこの中でアーチェリー競技の他に、アーチェリーを使用している競技があるんです!

ダーチェリー Dartchery
 ダーチェリーは、ダーツとアーチェリーを組み合わせたスポーツ。ブラウザの直訳だと「投げ矢」になるんですが、違います。矢を投げるわけじゃなくて、普通にシューティングします。的紙がダーツなだけです。距離は20ヤード(18.28m)とあります。
 あなたは、アーチェリーショップの的紙のページで見た事はありませんか? ダーツ的のやつ。あれです! 面白い物があるなーと思っていたけれど、製造・販売できる程度には需要があるって事だったんですね。知らなかったわー。パラリンピックでは1960〜1980年まで採用されていました。
 大きな競技会はありませんが、現在でもレジャーとして楽しまれているようです。
 Dartchery at the Summer Paralympics(WIKIPEDIA:英文)

 Dartchery(topend sports:英文)
ダーチェリー団体もありました。
 Dartchery.com

 そして、なかなか気づかないのが陸上競技の、これ!
五種競技 Pentathlon ペンタスロン
 前回の資料とした東京パラリンピック大会報告書の競技日程を見ていて、気づいたんです。
「11月9日 五種/アーチェリー」と、あったのを!
 急ぎ、調べました。五種競技って、なに?
 Pentathlon(WIKIPEDIA:英文)
 五種競技(古代五種)は、近代五種 modern pentathlonとは別物。古代オリンピックから採用され、近代まで競技内容を変えて開催されていましたが、現在はありません。
 陸上競技ってクセモノですよね、範囲が広すぎて。「陸上競技が採用されてます」とあっても、じゃあその種目は何?という事がハッキリしない。いや、クセモノというよりは扱いが雑なのかな。いろんな種目があるんだから、もっとちゃんと教えて欲しい。1964パラ五種競技の結果はメダリストの名前はあっても、その競技内容については無いのです。
 いろいろ英文も検索してみましたが、どうも古代五種という競技自体がマイナーなようで、詳細に書かれているものが見つかりませんでした。現在はオリ・パラ、どちらでも採用されていないのも理由かもしれません。近代五種に変わってしまったから?

 ちなみにオリンピック五種競技の内訳は以下の通り。
男子:走り幅跳び、円盤投げ、槍投げ、200m、1500m
女子:砲丸投げ、走り幅跳び、走高跳び、200m、80mハードル

 これに対してパラリンピック五種競技は、1964年の競技日程からわかるのが、フィールド競技、アーチェリー、水泳の3つ。残りの2つは?
 つまり、どれかの競技で複数種目って事でしょう。そう、ここでまた詳細がわからない。
 陸上競技はフィールド競技とトラック競技に分かれるんですね。日程にあった、
「11月8日 五種/フィールド競技」
だけじゃ、何をやったのか不明。上記のパラリンピック陸上競技の種目の中から五種競技を除くと、
 車椅子スラローム
 60m車椅子競争
 40m×4車椅子リレー
 槍正確投げ
 槍投げ
 砲丸投げ
 円盤投げ
 棍棒投げ
とあるわけで、その中でフィールド競技になるのは、槍正確投げ・槍投げ・砲丸投げ・円盤投げ・棍棒投げの、投てき競技。おそらくは、この中でどれか3種目が五種競技に含まれるのではないかと予想します。
 なぜなら11月9日の五種競技は、午後3時半からアーチェリー、午後9時から水泳となっています。同日に2つの競技があり、そこで複数種目をこなすのは体力的に難しいと考えます。
 とすると前日の8日はフィールド競技だけなので、そこで投てき3種目、が妥当ではないでしょうか。
 私の予想する1964年東京パラの 五種競技:
投てき3種目・アーチェリー・水泳!


 アーチェリーの事を知りたいだけなのに、調べるのが非常に広範囲になってしまいました。
 で、ようやく本題。以上のように五種競技でもアーチェリーはあるのですが、なんせ五種の種目すらハッキリしないものですから、アーチェリーがどんな内容なのかなんて、まるで不明。
 が、五種のスポーツを色々こなす事を考えると、そうそう一つの種目に練習時間は当てられません。アーチェリーはセント・ニコラス ラウンド(詳細は前回を読んでね)あたりじゃないのかなぁ?と想像します。
 それでもアーチェリーが含まれていた事が、驚きではあります。やっぱ、パラ競技の最初で歴史があるから?
 アーチェリーはパラ競技の花形なんですよ!と、いう事にしといてください。
 しかしパラ五種競技の採用は、女子は2000年、男子は2008年まででした。しかも2004年はアーチェリーは種目から外れていました。それより前の資料は見つからず、いつ頃五種競技からアーチェリーが外れたのかも不明なままです。
 なかなかパラリンピックの資料って、ありません。英文検索しても。オリンピックなら英文公式レポートが見られるんですが。
 さて2回にわたって1964年東京パラリンピックでのアーチェリーを記述して見ましたが、どうですか? ふとした疑問から調べてみましたが、私は非常に面白かったです。調べれば調べるほど謎が謎を呼んで、Webブラウザは山ほどのウィンドウとタブばかりになりましたけど。知らない事を追求するのは、面白いです。

 さて、最後にこちらを。短い動画もあります。
1964年東京パラリンピックのハイライト(国際パラリンピック委員会:英文)
 開会式なんて、地方の運動会のようです。当時のオリンピックに比べると予算の少なさを感じずにはいられませんが、ほのぼのして微笑ましいとも言えますね。
 さあ、絶対に2020東京オリパラ、観に行くぞ!



近況:正月から就寝時間が遅くて、
そのまま、いまだに寝るのが遅い。
いや不眠症ではなく、
ゲームしてるんだけど。