Hits.24 アウトサイダーの道
2016.4.23


 年度が変わりました。学生なら新学期。新入学の人は部活動とか決めましたか? マイナースポーツのアーチェリー、アーチェリー部がある学校は少ないです。
 中学校でそれがあるのは、かなり稀(まれ)。そもそも学校単位で動くスポーツ競技を統括している(公財)日本中学校体育連盟に、アーチェリーは加盟してませんから。扱いは「参考競技」です。
 高校や大学になると「それなりに」あります。「それなり」ですから、特に通学範囲が狭い高校生の場合、自分の地域内にあるかというと、そうでもないわけで。
 無いなら、創ろう! よし、新たにアーチェリー部を創るぞっ!って、まったくもって楽じゃありません。
 運動部で、しかも高価な道具を使うアーチェリー、射場だって広いスペース必要だし。やりたい生徒を集めて、協力してくれる先生に顧問をお願いして、それでもすぐには部にはしてもらえません。
 栃木県内の県立高校だと、同好会を作って、3年活動すると部として認められるのが多いそうです。でも高校によって違い、5年経たないとダメって所もあるそうな。5年じゃ、設立時の生徒、残ってないじゃん!(アーチェリー部創設の時に聞いた話なので、文化部も同様かは不明)
 基本、積極的に動いてくれる先生が顧問でないと、どうにもなりません。アーチェリーゆえの安全確保とか、射場をどうするかとか、大人が動いてくれないと話にならないからです。
 逆の立場で、先生がアーチェリー部を創る事があります。もちろんその先生は長くアーチェリーに関わってきた人で。公立高校の場合、異動によって学校が変わります。顧問教諭が異動すると、そのアーチェリー部が消える(廃部)になるっていうのは、今までいくつか見ました。結局、学校側は「指導者がいないから」という理由で、危なそうなアーチェリー部は潰しちゃえって事で。
 生徒に勉強しろと言うわりには、先生も勉強して新しい事を始めるのは、まあ時間の無駄なんでしょうね。部活動は労多くて、手当も少ないし、アーチェリーじゃたいして学校の名前も宣伝できないし。
 異動しちゃった顧問教諭は、その異動先でアーチェリー部を設立するために奮闘するんですけどね。あくなき情熱だわ。

 さて高校野球部が甲子園を目指すように、高校運動部なら目指すのはインターハイですよね。高校にアーチェリー部が無いけど、インターハイに出てみたい!って人、それは可能です。
 私の息子は、小さい頃からアーチェリーしてますが(AMAZONEの息子、キャデット・ボーイ参照)、高校生になった時も当然のように学校にアーチェリー部は存在しません。だいたい宇都宮市内にアーチェリー部のある学校、無いし。
 しかし希望するなら、部活が無くても(公財)全国高等学校体育連盟(略称:高体連)アーチェリー専門部に個人登録は可能です。個人登録でインターハイを目指す! 出られます、他を圧倒できる点数さえ出せば(^ ^)
 けれど色々面倒です、手続きが。
試合用シャツと会報

1. これからアーチェリーを始めたい人は、まず地域のアーチェリー団体に登録・所属して、活動を始めてください。
 そして、その上で高体連に個人登録したいむね、相談して下さい。地域別に高体連の窓口(都道府県の高体連:アーチェリー専門部)がありますから、そこを通して話を進めます。

2. 所属する高校が校外活動を認めてくれる事。
 高体連への登録は、個人であっても学校長の承認が必要。そして顧問も付けなくてはいけません。だいたい担任教諭が顧問になるようです。
 ただ、学校によっては「基本、認めない」高校もあるそうです(面倒だからでしょう)。  この場合は、インターハイあきらめて下さい。高体連主催ではない、国体を目指して下さい。そして国体出場できたら、校長の前で「あーあ、インターハイも出たかったなー」と嫌味を言って下さい(笑)
 公立よりも、私立の方が、校外活動には寛容なようです。公立だと、生徒側から話を振らないと何も始まりませんが、私立は入学時に「校外活動をする人は申し出て」と担任から話が出たそうです。
 仕事を増やしたくない公立と、学校の宣伝になるならドンドンやってよの私立の、立場の違いでしょうか。

3. 通常の部活動と違って保護者も色々動かないといけません。
 当然、1. にしろ2. にしろ、相談や話し合いは保護者が申し込んで話をしなきゃいけませんし。
 学校には「今まで、こんな活動をしてきてます。それで今後は、このアーチェリー場で練習し、指導者は誰で、年間試合予定は、これこれです」みたいに。
 地元の試合の場合は、当然送迎も必要でしょうし、遠征の時だって引率教諭とは現地集合かもしれません。

4. もちろん、試合に出る時は前もって学校に申請して、書類に学校長のハンコが必要になります。まあ高体連主催の試合って、そんなに多くないけど。

5. 近県への遠征費用とか、あまり期待できないでしょう。自腹を切る覚悟を。インターハイに出場なら、少しは出るかも?

6. 部活なら「ユニフォームは、これです。値段は・・・」と知らされてお金を払うだけですが、個人の場合は自分でやらなきゃいけません。
 規定のユニフォーム(名入れ)はスポーツ用品店に衣料持ち込みで、できます。また全ア連と高体連の服装規定は違います。高体連の方が、より厳格です(ズボンに別色のラインが入ったからって、何の問題があるんだろう。それで点数上がるわけじゃなし)。

 ざっと書いてみましたが、個人活動はこんな風に色々と大変です。基本的に、保護者の協力無しでは無理です。面倒だけど、やってみたい!と思う人は、保護者の方に「お願いがあるんだけど」と切り出してくださいね。
 息子は個人登録でしたが、やっぱり仲間がいないのが寂しかったみたいです。「アーチェリー部があれば良かったなー」とは言ってました。試合の時、他の生徒は皆、学校単位で集まっているので、疎外感を感じるのかもしれません。
 息子的には「アーチェリーは趣味」なので、ワイワイやる仲間が欲しかったのでしょう。
 アーチェリー大好きなんだ、一人でもやるぞー!って人なら、アウトサイダーとして孤高に生きてみてね。

 あ、でも高体連の個人登録する生徒って、ものすごく稀です。息子が2年生の時に「(公財)全国高等学校体育連盟アーチェリー専門部 会報」をもらったんですが、日本中のアーチェリー専門部に所属する学校の掲載がありました。
 なんだ、こんな便利な物があったんだ。このウェブサイトでもリンク集に高校アーチェリー部を掲載するのに、私は日本中の学校のウェブサイト、全部見て調べたんですけど。
 漏れが無いかチェックしてみると・・その時点で個人登録してるの、息子だけでした。
 まあ、そのくらい他生徒は部活動でしか登録が無いって事ですね。また個人で活動してても、高体連には登録しないアーチャーも多いのではないかな。

 大学生・短大生・高等専門学校生(4年生〜)に関しては、全日本学生アーチェリー連盟があります。登録は下部組織の地域別の学生アーチェリー連盟に加盟する事です。
 これも学校単位ですが、個人登録もあります。ただ大学の場合はリーグ戦が中心のようなので、個人だとあまり活躍できないかも。
 まあ高校生とは違って、がんがんバイトすればお金もかせげるし、未成年でもある程度の自由はありますから、自力で頑張って下さい。

追記:医科学生は6年制であるため、4年制大学とは別に医科学生アーチェリー団体があり、医科学生アーチェリー大会が開催されているようです。

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近況:大学生になった息子は、自宅通学。
毎日、大学までが遠いと疲れてます。
体力、無いぞー。
がんばって自転車、こげや。